nishikien’s blog

お茶に纏わる事柄をつらつらと。

あの一杯

私が初めて、ここまで変わるのかと驚き、その理由を尋ねた飲料は何か?

私を知る人はお茶かと思われるかも知れませんが違います。
それはビールでした。

横浜での仕事を辞め、静岡に戻ってから行ったビヤホール
ビールは居酒屋でワイワイと飲むお酒で特に難しく考えたこともありませんでした。
 
びっしょりとビールで濡れたジョッキ、のど越し、味わい。お店の什器や料理よりもその一杯のビールに驚きを覚えたのを今でも思い出します。中身は特別なビールではなく、業務用のアサヒスーパードライ。それまで、余り印象の良くなかったビール銘柄だったのも驚きに繋がりました。
 
既存の商品と単純な注ぐ行為でここまでの違いが生み出せるのなら、お茶をいれる行為にも出来ることは沢山ある。酔っぱらった頭でそんなことを考えるようになるのに時間は掛かりませんでした。
 
ビールを注ぐ方は決まっているようで、とても美味しいですと伝えると、美味しく飲みたいならタンブラーがいいですよ。と教えていただきそれからはジョッキではなく、タンブラー一本鎗でした。
人が来るとこのビヤホールか交差点のとんかつ屋に行くかどちらかだったように思います。ビヤホールでは注いでいる様子をじっと見ていたものです。
 
高齢になったオーナーの意向で閉店を知った時は週に何度も足を運び、お会計の度に何が違うのかを尋ねました。答えは到ってシンプルなことばかりでしたけれど。
 
あの一杯が無ければひょっとしたら、今の私はいないのかも。いや、きっと人生なんてそんなことの繰り返しなのでしょうね。