nishikien’s blog

お茶に纏わる事柄をつらつらと。

碧眼の後進へ

チャンスがあるなら一番良いものを見た方がいい。取材であるかどうかを私は気にしない。いつものようにする。それでいいだろう。
ならあの山の茶園へ行こう。そこでお茶を飲もう。君が初めて見た年よりも今年の園は素晴らしい。そういえば、あの園地のお茶の木達はきっと君と同い年くらいの筈だよ。

今はお茶の知識や経験は私に届かないけれど、必ず私以上のことが分かるようになり出来るようになる。

ちゃんと学び、そして、分からない事が苦しくとも、分からないまま諦めずに重ね、今ある部品で仮説を組み上げてみる。そして信頼出来ると思えた人にその仮説を尋ねてみることだよ。尋ねられた者なりの知識で仮説を考えてくれるだろう。それはお互いのためでもあるんだ。重ねた何かが間違っていたら、固執せずにそれを崩す事を恐れないこと。それを繰り返すんだ。何故だろうの気持ちを常に持って。
 
君が分からないと思ってる以上に、私の方がきっともっと分からないと感じているよ。お茶とは知れば知る程に、分からない事が増えるものなのだから。
 
私が君に期待しているのは、お茶で君自身が幸せになって欲しいという事しかない。そして、茶を通じて君が君の回りの人、縁がある人を幸せに出来るように。 
そのためには協力するし、知識も渡そう。それが先に生を受けて学んできた者の当然の役割であり、生きるということなんだ。
外国人であるかどうかではなく、人としてお茶のことを知ろうとして一生懸命だから私はそうするんだよ。
かつて、先人が私にしてくれたように。
 
21世紀、日本茶の新しい扉は開いたばかり。お互いに学び、頑張ろう。そして、もっとお茶を楽しもう。
大袈裟かもしれないけれど、人生をかけて楽しめるのがお茶だよ。それだけは間違いない。

 


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