nishikien’s blog

お茶に纏わる事柄をつらつらと。

深蒸し茶と呼ばれたお茶

時代を席巻した「深蒸し茶」と名付けられた緑茶。静岡茶共同研究会の報告書深蒸し茶のルーツを読み直しています。

深蒸し茶のルーツはPDFでのダウンロードが可能です。お読みになりたい方は下記のリンクへ。

http://www.geocities.jp/nihonsadojuku/kyodo.html
  
・高度成長期
・人口ボーナスの時代
・人口集中の首都圏での販売
・見るモノと化した形状の茶に対してのアンチテーゼ
・日常の飲料としての茶の立ち位置と小型の急須の普及
・製茶機械の大型化(25K35Kから50K、60Kそして120K240Kへ)
・在来から品種茶(やぶきた)への改植など
 
国内販売が伸びる方向への歯車ががっちりと噛み合った結果なのだなと改めて思います。

歴史は繰り返し、そのお茶も見るモノへ、悪貨は良貨を駆逐するは世の常とも。

 
さて、手の届く過去を振り返り、需要に対しての供給の図式を考えれば粉末茶原料の生産へシフトするのが流れなのでしょう。買い先は既に茶業者である必要もなく、小麦粉などと同じく食品メーカーや商社となっていくのが道理です。同じような品質であればより安くの基準は茶業者の比ではなかろうと想像されます。
 
植物としての「チャ」を原料として「茶」とするのか「加工原料のひとつ」を作るのか。換金作物であり経営ですので、ここに是非はありません。
 
私の商いの規模やスタイルとして必要なのは「茶」ですのでこちらが商材となるだけです。
山間地での茶生産などはその立地条件などを見ても大量生産とはならないので、オーソドックスな製法の緑茶生産とならざるを得ません。
寝言のように言われていた差別化の言葉はいよいよ現実味を帯びて来ているのが今なのでしょう。