nishikien’s blog

お茶に纏わる事柄をつらつらと。

しめしめ

最近の若い人はお茶を飲まないと語る年配者がいます。急須を持っていない家が増えたとも。
 
最近ので始まるこの言葉が出るようになったら心が年を取った現れ。

若い人はお茶を飲まない。そんな事ありません。生まれた時からペットボトルのお茶が当たり前に存在した世代が大人になり、販売のデータでも茶系のドリンクは盛況です。身銭を切ってお茶を買い、いつでも傍らに茶を持つ世代です。常に傍らにある茶こそが番茶です。湯や水以外の飲み物の立ち位置の飲料。ペットボトルは現代の番茶です。
 
ペットボトルなんてお茶ではないといい、急須をと言いながらそれを急須と言うには憚られるような品を使っている事に気づいていない人たちはどのくらいいるのでしょう。
 
次の世代、デジタルネイティブの人達が大人になる時にお茶をいれる行為、それを楽しむ行為がもっと必要とされる時が来ます。人なればこそです。
  
急須を持っていない。しめしめ、それはありがたい事です。必要とした時に無いのなら手にいれよう、買おうと思うのですから私の様なモノ売りにとっては好機到来。そして、どうせなら値段分よりも良い品をと。
 
21世紀の今、数多くの品種が楽しめて、精度の高い急須がまだ手にいれられる時。
 
先達は後進に道を示すのが役割です。
世代を越え、人種を越えて、まあ、お茶でも飲もうと手にした道具はその人の心を現しているように思います。
日本はお茶を作れる国です。そして、稀有と言っても過言ではないようなお茶を産しています。
 
道なんて意識する必要はありません。目利きになってお茶も道具ももっと楽しみましょう。それをしないのは勿体ないことです。