nishikien’s blog

お茶に纏わる事柄をつらつらと。

ハンドメイドの意味

時折、「手摘みのお茶はいいのですか?」とご質問をいただきますが、正直に言えば手で摘まなければ出来ない摘採の精度(製品に則した原葉の手配をする。)または栽培をしているのでなければ、値段分の品質ではマイナスになる事の方が少なくありません。

手摘み=(イコール)良茶ではないのです。

趣味の領域ではない「製品としての手づくり」とは、「手でなければ出来ない仕事と精度」があってこそ意味があります。手で作った品は「手の跡」が残ります。これは目で見える形やキズではなく「仕事」という意味です。

手で作ったからいい品が出来るのではありません。熟練者の技をもってしていい品物が出来るのであって、手で作る事自体には意味はないのです。むしろ技術の無い者が手づくりをすれば機械製以下の品になって当然なのです。

機械には道具の延長として使われる物があります。特に製茶機械など機械というようりも道具に近いシロモノです。正しく使えなければ製品の品質に直結するのは言うまでもありません。

品物を見てブランドや値段ではなく「凄いなあ、よくもまあ出来ますね。素晴らしいです。」と分かる事。その品を手に出来る喜び。見た目のの好き嫌いではなく、その品物がどうやって作られたのかを知ることは人生を楽しくします。

売らんが為の言葉に翻弄される事なく、多くの方が目利きになれたらいいなといつも思っています。その第一歩にお茶は最適な品のひとつです。