nishikien’s blog

お茶に纏わる事柄をつらつらと。

産地でのモノづくり

生活雑器として望まれ、その中で偶さかに極めて高い精度を要求され応えて来たのが常滑急須です。

常滑で急須を作ること。
 
国産の陶製急須で最大の生産量を誇る土地で急須をつくる。ベテランの職人が急須づくりを日常としている土地での新規参入はハードルが高いことでしょう。
 
使い勝手の良さを追えば、基本形はかなり狭められ、デザインの自由度は限られます。そして、殆どの挑戦は既にされています。急須は構成部品の多い焼物で、分業になっていないそれは仕事に一言ある人達がいる環境をつくります。
 
新たに急須づくりを志す人が息苦しさを感じて、そこから飛び出してしまうのもわからなくはありませんし、一般の方の優しい言葉に安心してしまう事もあるでしょう。でも、やはり踏みとどまって先人に教えられながらモノづくりを続け、自分ならではの製品を作れるようになってくれたらと願っています。
 
日常生活の中で触れられる稀有な焼物が常滑急須であること。この言葉が形骸とならずに未来に繋がればと切に思います。
 
 
以上は急須に限りません。産地でモノづくりをするという事は全て同じです。急須の文字がそのまま茶に置き換えられる事に気づかれる方も多い筈です。