nishikien’s blog

お茶に纏わる事柄をつらつらと。

中国は烏龍茶の国ではなく、緑茶の国です。

お客さまを含め日本で緑茶の話しをすると、緑茶は日本にしかないと思っている方が少なからずいらっしゃいます。実生活において身近にあり、外国産緑茶と縁がないからかも知れません。製法の違いこそあれ緑茶の最大生産国は中国です。
今更ですが中国は広大です。統計に上がっているだけで茶生産量は約170万t(2012年)、日本は約8万t。生産量は21倍以上。

日本の産地茶園を全部集めたところで中国に比べれば如何に小さなものなのかと思えます。生産量はそのまま力です。製造による差異の出来にくい製品、例えば加工用の粉末などでは勝ち目はないでしょう。

日本茶の価値はやはり「日本茶らしさ」です。広い視点から見おろせば一地方茶に過ぎない事を理解し「日本茶とは何か」を知る事も必要です。この図式はそのまま日本国内にも当てはまります。

多くの人が日本茶として捉えている緑茶はまだ歴史が浅く、現代に到ってやっとスタートラインに着けた位に考えていいでしょう。
背後には先達の努力、研鑽によって培われた財産があり眼前にはそれを活かせる自由な世界が広がっています。

21世紀ほど自由に日本茶を楽しめる時代はありません。そして今、どれだけの人がひと回りした歴史に気づけるか。私達は分水嶺に立っているのでしょう。


日本総面積:約377,900平方キロメートル 
雲南省面積:約394,000平方キロメートル

日本の茶園面積:約460平方キロメートル
雲南省の茶園:面積約3000平方キロメートル
(以上2012年)
※2013年の雲南省茶園面積 約3210平方キロメートル。一年で日本の全茶園面積の約45%も面積が増えている。
2013年「春」の雲南省原料茶生産量は10万1000t