nishikien’s blog

お茶に纏わる事柄をつらつらと。

お茶とはキャップを捻るものなのです。

過日、コカコーラのPOS(販売時点情報管理)から導き出されたと思われる以下のようなコメント目にしました。

『朝はコーヒーや水が多く、昼にはお茶がバッと売れて、午後になると炭酸飲料とか甘めのものが売れている』

茶業に関わる者としてはこの一文に目が止まるものです。文章中の「お茶」とはコカコーラの製品として


<無糖茶飲料>
爽健美茶
綾鷹
からだ巡茶
からだすこやか茶W
日本の烏龍茶 つむぎ
煌 烏龍茶

<紅茶飲料>
紅茶花伝

になろうかと思います。どれが売れているのかまではわかりませんが、食事と共に消費される飲料として「茶」が選ばれているのだと推測されます。

投資家情報にあった資料に<無糖茶飲料>爽健美茶、綾鷹がピックアップされていますので「お茶」に含まれる主な商品はこの2点でしょう。綾鷹の増加率は他の商品に比べて群を抜いています。

そして、販売方法としてのトップ3は①スーパーマーケット、②ベンディング(自販機)、③コンビニエンスストア。①は卸②は小売り③は卸の数字。自販機:小売りの数字の大きさに改めて驚きました。
 
 

さて、食事の時の茶として選ばれる茶は、趣味や嗜好品としての茶ではなくかつての「番茶」にあたるお茶です。常にある湯や水ではない味香りがあり手軽に飲めていつでも手に入る飲料です。

次に下記の別の資料よりの抜粋をご一読ください。

無糖茶系ドリンクの市場規模は、2012年 7,406億3,300万円 (前年比102.4%)、2013年見込 7,584億9,500万円 (102.4%)、2014年予測 7,800億8,500万円 (102.8%)、2015年予測 7,947億2,500万円 (101.9%)。

無糖茶系飲料のリーフの市場規模は、2012年 2,339億8,200万円 (前年比97.8%)、2013年見込 2,307億8,100万円 (98.6%)、2014年予測 2,290億9,700万円 (99.3%)、2015年予測 2,279億3,000万円 (99.5%) と2002年以降、市場全体では縮小傾向にある。

無糖茶系飲料のティーバッグの市場規模は、2012年 1,575億9,600万円 (前年比103.6%)、2013年見込 1,645億7,700万円 (104.4%)、2014年予測 1,694億200万円 (102.9%)、2015年予測 1,816億4,800万円 (107.2%) とプラス成長を続けている。

無糖茶系飲料のその他タイプ (粉末、顆粒など) の市場規模は、2012年 87億2,100万円 (前年比112.9%)、2013年見込 96億200万円 (110.1%)、2014年予測 103億8,100万円 (108.1%)、2015年予測 119億700万円 (114.7%) と1999年以降、拡大している。

市場規模を見れば、ドリンク系の茶は2015年時点で8000億に迫る規模となり、リーフは2300億です。

お茶とは既に茶葉を使っていれるものから、キャップを捻るものになり、その大きな市場は既に一般的な茶業者の手を離れて大手飲料メーカーのものになったと考えるのが妥当なのでしょう。
  
自販機やコンビニエンスストアなどで24時間いつでもお茶は手にはいり、手軽に便利に飲める時代が今なのです。 消費者に望まれ、その希望に沿ってモノづくりが行われた結果です。
 
さて、わざわざ手間を掛けていれるリーフの茶をどうするのか?
工業製品のドリンク系の茶には無い何かが無ければ必要とはされません。手づからいれる美味しさと楽しさを知ること。
お茶は飲んでもらおうとして、いれた直後が最も美味しいものです。ドリンク系の茶はなんであれ数日前に出来た料理と同じなのです。
テーブルの上で行う最も小さな料理のひとつがお茶をいれるという事です。