nishikien’s blog

お茶に纏わる事柄をつらつらと。

いっぱいある、お茶関係の資格、日本茶インストラクター。

茶に関した仕事をしていると奇妙な響きの資格めいた肩書きを目にします。コンシェルジュやらナビゲーター、コーディネーターなど何やら横文字が多く次から次へと雨後の筍さながらです。そして、その走りはやはりインストラクターでしょう。全国区の統一試験で実質的バックボーンは茶業中央会。門戸は身贔屓無く業界外の一般まで開かれています。

私は仕事をする時、臆する事無く自らを「日本茶インストラクター」とお伝えしています。相対した人の殆どは「日本茶インストラクターってお茶について詳しいのですね。」と感想をお伝えくださいます。対して「ええ、そうですね。」と笑顔でお答えします。

日本茶インストラクターに課せられた役目は開設当初に業界から設定された「茶業振興」ではなく、業者都合ではない立ち位置から日本茶についてを伝える事と考えています。

人が間に入り仕事をして、精度を上げ、目利きをしていくのが「茶」という製品です。仕事の度に伝える事は増えていきます。それは仕事には理由があるからです。情報の川下に立つほど、学ばなければいけない事が増えていくのは道理です。

消費の現場で人に茶についてを話すのであれば、茶という植物について、栽培、摘採製造、荒茶の仕上げ、お茶をいれる時の道具や水、楽しむテクニックなどまで知識は必要になります。資格を掲げて、茶販売などのアドバイスなどとなれば販売実績も無ければ説得力に欠けるものです。

テキストで覚えた通り一編のいれ方や紅茶の焼き直しのようなアレンジティーなどを伝えるだけなら全く無用の資格です。でなければ資格好きの自己満足用商品です。

資格の価値はそれを構成している者がつくるものです。その事を軽んじては20万近い金と勉強に使った時間はドブに捨てたのに等しいでしょう。聡明な諸氏はお気づきでしょう。これは何も日本茶インストラクターに限った話ではありません。

来年の二次試験。不安でしょうけれど一次を通ればほぼ手中にしたも同然です。焦らずに資料茶などを使って拝見のポイントの感覚をつかみましょう。大丈夫です。そんなに難しくはありませんから。

自らにストレスを与え、茶についての知識を厚く出来た事、それはご自身の持つ宝になるかも知れません。お茶を介して楽しく時間を過ごせればと願います。

お茶が育ち、お茶を作る事が出来、楽しむのに相応しい水が豊かな国。先人の努力により、かつては貴人しか口に出来なかったであろう品質の茶が誰にでも手にはいるようになりました。多種多様な香味の品種茶、そして様々な製法や意匠の焼物が焼かれてもいます。

21世紀の今、これまでの日本茶の歴史の中で最も日本茶を楽しめる時代です。