nishikien’s blog

お茶に纏わる事柄をつらつらと。

百貨店での売上はどうですか?

百貨店での売上はどうですか?と販売に関わる方々に時折、お声をお掛けいただきます。

本店、地方店を問わず、苦戦が続いているのでしょう。売上を上げるにはどうすればとの問いをうかがう事もしばしばです。確かにご来店になられるお客さまも多くは無い印象を受ける事があります。それであっても、私はよい商いをさせていただいています。これもお客さまのおかげです。本当にありがとうございます。

前述の問いに対しての私の答えは「お客さまを信じる事」です。

世の中のお買い物で百貨店の利用は僅かに6%などとの数字を耳にしたような事もあります。
電話一本どころではなく、声も出さずに指一本で買い物が出来る時代です。

百貨店に足を運んでくださるお客さまが百貨店に来て良かったと思える品物をご用意し、期待を裏切らない事に真剣に取り組む。
そこに来たから、見れる、触れられる、知ることが出来るようにを具現化する。
見た目の安さに逃げない。

綺麗な建物や什器に目が行きがちですけれど、最も大事な資産は、「人」です。
目利きと品揃え、接客が百貨店の本分と私は思っています。

品物が伝えるだけの「知」を有するかを知る事。それが目利きの第一歩です。
それを品物と共に伝えられる事が、お金を介して等価交換を行う事に関わる「接客」です。

品物に関しての知識を十分に持つ事、知る事を楽しいと思える資質を有している人が百貨店で働く人であり、そんな場所で買い物をする事に私自身、憧れと期待をしています。そのお手伝いが出来たならと。

商品知識と言葉にすれば難しく聞こえてしまいますが、売られている品は全て例外無く、人の知恵の集合体です。その品の事を知るのは楽しい事です。知る事、学ぶ事は人の使命であり、それは机や本、手のひらの中の光る板ではなくともあります。

楽しいお買い物の為に。お客さまの為には自分の為にでもあります。お互いにどこかで誰かのお客さまなのですから。