nishikien’s blog

お茶に纏わる事柄をつらつらと。

茶の紡ぐ物語 摩利支

「日本に来て良かった」の言葉で終わる書籍の校正が昨日完了。最終稿ですとのタイトルのデータが届いた。 これを読むなら、やはり、日本茶を傍らにと思い、18年ほど前に、オリジナル急須をと取り組んだ当時の品を棚から取り出した。 この急須の年の離れた兄…

シングルオリジンの日本茶

近年目にする「シングルオリジン」といった単語。耳触りも良いいい言葉で、単園モノや単品のお茶などと表現していた事に懐かしさを覚えます。この様なカテゴリーの茶を扱うキャリアで言えば私は古株となるのでしょう。 さて、シングルオリジンのお茶は良茶な…

一杯の茶から

某所和カフェにて 「いらっしゃいませ。今回は普段、飲まないだろうと思うお茶をいれました。何だと思います?」 私が普段飲まないとすると狭山か、宇治かと呟きながら、口に運ぶ。狭山ではない。 「宇治っぽい雰囲気もあるけれど違う。まてよ、この風味は知…

お茶を手で摘む一番のメリットは何か?

「手摘みのお茶はいいのですか?」と時折、お客様に質問をされます。 「モチロンそうですよ。」と笑顔で答えられればいいのですが、それが出来るほど私は器用ではありません。 「そんなことは無いですね。手でなければ出来ない仕事をして、それが製品に活か…

21世紀、お茶はいれるモノから、キャップをひねるモノになりました。

21世紀、世の中に出回る「茶」は既に液体が主流になりました。この状況はどう見ても、私にとってチャンス到来です。 こうなれば、急須を使っていれる事が大きな意味を持つのですから。 無糖茶系ドリンクの市場規模は、2012年 7,406億3,300万円 (前年比102.4…

中国は烏龍茶の国ではなく、緑茶の国です。

お客さまを含め日本で緑茶の話しをすると、緑茶は日本にしかないと思っている方が少なからずいらっしゃいます。実生活において身近にあり、外国産緑茶と縁がないからかも知れません。製法の違いこそあれ緑茶の最大生産国は中国です。 今更ですが中国は広大で…

シングルオリジンを冠するのであれば、腹をくくって真面目にやろう。お金の為ならおやめなさい。

コーヒーなどから端を発した「シングルオリジン」という呼び名。ワインのモノポールとも似ていますが、日本人が覚えやすい単語と響きのいい言葉だなと思います。 さて、私は販売の実績も含め、日本茶における品種単品や単産地、単園の製品提案に関してはフロ…

特別扱いなんてしちゃダメなんです。

お茶に限らず、物事を考える時に自分と関係のある品を闇雲に特別扱いしない意識はとても大事です。 自らのアイデンティティーにも繋がる部分なので、実は難しい事でもありますが、それをしなくては学びにはなりません。 平らに考え、その上でどう違うのか、…

ペットボトルのお茶が売れなくても売上なんて上がりません。

「お茶はリーフで。」 「ペットボトルのお茶ではなく急須で。」 一般のお茶好きの方からの言葉ならまだしも、茶業者から声高々に語られると少々不思議な気分になります。 ペットボトルなどドリンクの茶系飲料の原料は言うまでも無く「茶」です。大手メーカー…

初心者が急須を選ぶ時のポイントを教えます。

急須でお茶をいれる面白さは他の類をみません。乾物である茶葉に湯や水を用いながら、一杯の茶をつくる。ほんの僅かな広さと時間さえあれば誰でも出来ます。美味しい、不味いの答えも直ぐに出るから達成感も楽しめます。お茶をいれるとはテーブルの上で出来…

お茶とはキャップを捻るものなのです。

過日、コカコーラのPOS(販売時点情報管理)から導き出されたと思われる以下のようなコメント目にしました。 『朝はコーヒーや水が多く、昼にはお茶がバッと売れて、午後になると炭酸飲料とか甘めのものが売れている』 茶業に関わる者としてはこの一文に目が止…

お茶の品種をとりまく事柄~その⑤

茶の品種をとりまく事柄<その5>お茶はお米と同じく一般消費者に対して値段を指標に売り買いがされた食品です。「例えば100gで1500円ならお使い物に、600円なら自家用に」など中身がどのようか、ではなく「金額」が選択理由の中心に来ています。故にほと…

お茶の品種をとりまく事柄~その④

茶の品種をとりまく事柄<その4>生産者の工場で出来上がった「荒茶」は「製茶問屋」によって仕入れが行われます。製茶問屋は再製工場とも呼ばれ、荒茶を原料として「仕上げ茶」を作ります。仕上げ茶が小売店などで販売される商品としての茶になります。製…

お茶の品種をとりまく事柄~その③

茶の品種をとりまく事柄<その3>品種は「製品」をつくる上で生産者、茶問屋などが扱いやすいことが大切でした。生産者からみれば植えた後に5年以上の月日をかけ、少なくないお金を投資して製茶したものの行き先(買い手)が無かったり、値段が安かったり…

お茶の品種をとりまく事柄~その②

茶の品種をとりまく事柄<その2>高価格で売れやすいのはどんな時でしょう?手っとり早いのは茶期が早く世の中にまだ新茶が出回らない時であれば売れていきます。買い手からすれば選択肢が無い状況でもあります。高い=高品質ではない。その後は時間ととも…

お茶の品種をとりまく事柄~その①

茶の品種をとりまく事柄<その1>良い機会なのでお茶の品種がどうして単品で世に出て来にくいのかを文にしてみることにします。一般の方が思い浮かべる農作物の品種と「茶の品種」についての実際は異なっているのだろうと思うのです。茶の品種について考え…

さて、茶業者にあったら訊ねてみるとしましょう。ところで、あなたはどんな急須でお茶をいれているんですか?と。

「急須の無い家庭が増えた」や「茶葉を使わなくなった。」といった嘆き節のような言葉を私の業界では耳にします。ペットボトルばかりでなんて話も合わせて。お客さまや世の流れみたいに聞こえますが、それは間違いです。この状況は嘆いている人が作ったので…

日本茶を海の彼方へ。日本に来て良かったの言葉を世界に。

2012年睦月、一週間のフランスにての仕事も最終日。 ベッドから起き出して身支度を始める。黒のシャツにスラックス、インストラクター証が胸についたベストを羽織る。ポケットの中の茶匙がたてる金属音。 硬度高い水道水のせいでキシキシいう髪に手ぐしをい…

誰でもお茶が美味しく?そんなのただの入口ですよ。面白いのはその先です。

私はお茶と茶器を扱いながら商いをさせていただいております。何事にも言える事なのですが、見識の浅いうちは先ずは形からといった類の表面的な部分に気持ちが行くものです。私もその例外ではありませんでした。「なんとなく見栄えがいい。」や「小奇麗に見…

「眠る時間が欲しかったら紅茶を作りなさい。」「お金が欲しいのなら烏龍茶を作りなさい。」

「眠る時間が欲しかったら紅茶を作りなさい。」「お金が欲しいのなら烏龍茶を作りなさい。」これは以前に台湾茶に関してのお話しで耳にした言葉です。製茶について少し真面目に考えた事がある人なら合点がいく事でしょう。烏龍茶としてのキャラクターを持つ…

良かったね、日本茶に出会えて。機会があったら又、おいで。

大雨の夜。 茶工場からの山道を駅へ向かった。後部座席には金髪の若者。友人のお店のお客様とのこと。お茶が好きで、下手な日本人よりも流暢に日本語を話し、折り目正しい。 日本茶を学ぼうと勉強し、探し、日本に行けばもっと色々なお茶があるんだと思って…

21世紀、日本茶の新しい扉は開いたばかり。お互いに学び、頑張ろう。そして、もっとお茶を楽しもう。

チャンスがあるなら一番素晴らしいものを見た方がいい。取材であるかどうかを私は気にしない。いつものようにする。それでいいだろう。 ならあの山の茶園へ行こう。そこでお茶を飲もう。君が初めて見た年よりも今年の園は素晴らしい。そういえば、あの園地の…

世の中に売っていないモノを売れたらいいなあ

私は本当に大切で良いモノは、きっと売っていないのだろうと思っています。 値段では無く、親戚や知り合いが「山に行って来たんだよ。」といいながらくれる山の幸や、「季節だからなあ。」と手渡してくれる釣ったばかりの鮎。どれも販売の流れには乗らないモ…

良い品を未来に繋げられないのは誰のせい?

「君みたいに話して伝えなくてはもう品物は売れないのかねえ。」 「難しいでしょうね。今のお客様のほとんどが好き・嫌いくらいでしか品物を見ることが出来ていません。良い・悪いではないのです。良い品の”良い部分”を伝えなくてはいけないでしょう。」 「…

君の名は、香駿。あ、蒼風もよろしく。

来歴:くらさわ×かなやみどりこの一文を読んで、「香駿(こうしゅん)」だね。「70-11-6」だったっけ?などと言える人はお茶に詳しい方でしょう。品種茶を扱う私にとって「香駿」そして「蒼風」の存在は非常に大きなものです。蒼風の来歴はやぶきた×静-印…

急須が無ければバケツでも美味しくいれてみせるサ♪

私はお茶屋なので仕事柄、お茶をいれるのが上手な方です。当然と言えば当然ですが、 お茶をいれるのが下手なようでは料理が下手な料理人と同じでそもそもそれを仕事としてはいけないのです。お客さまの事を考えれば厳しい話しでも何でもありません。 急須な…

急須に蓋がいるのかって!?いるさ!モチロン!!

急須に蓋は必要なのか? 答えは当然「必要」です。特に「良質な茶を生産及び販売をしている。」と口にするなら、無くてもいいなどといった答えになる筈はありません。 日本茶は園地での栽培、製造、成分、水質などが相まって「低温度帯の湯(水)」を用いて…

凄いところですね。ここ。

1月某日「石部さん、やぶきたよりも素晴らしい山峡が有るんですよ。」「え!?そんなモノあるんですか?」「量が少なくて今は、無いのですが春に出来上がったら見てみてください。」「はい。」※”やぶきた”と”山峡(やまかい)”は共に日本茶の品種です。日本…

「三年も」などと思うのでしたらまともな茶業者になるのは諦めた方がいいでしょう。

お茶の事を勉強したかったら一年を通じての観察が一番です。身体を形作る「葉」が収穫物となる茶は摘採(摘み取り)や、更新(茶葉の収穫ではない枝葉の切断)が行われる事によって、毎年、園地の様子が変わります。そこに年ごとの気候変動が重なる事も留意…

ひとりぼっちで良い製品なんて出来ません

私は静岡茶と常滑焼の急須を扱っています。意外に思われるかも知れませんが「常滑焼だから良い」「静岡茶だから良い」とは考えていません。焼物の世界は「何々焼」だからと言った言葉は形骸化しています。以前、窯業に関わる人から、原料となる土や釉薬も注…

ワイン以上に楽しめる嗜好飲料となるかも。

二十一世紀の今、日本茶の扉日常茶飯の言葉があるように私たちの暮らしの中で茶は普段から馴染みのある飲料です。人の感覚は自分が生きているタイムスケールに影響されます。子供の頃から自然に身の回りにあれば昔からあったように思いがちになるものです。…

人間の味はどんな味?

とある所に珍しい羊がいて、その肉はそれはそれは美味しいらしい。どんな味なんですかと尋ねると、風味豊かでまるで若い人間の肉のようなと・・・・。学生時代に読んだうろ覚えのブラックジョーク。 お茶の香味に関しての表現を教えてくれるようなセミナーは…

取引先に対して行った大事なノウハウを教えます。

私がこれまでに何件かの日本茶喫茶とのお取り引きを始める際に必ず行ったノウハウのひとつをお伝えしようと思います。 先ず先に、汚くシニカルに聞こえるかも知れませんが、世の中を見回せば、大きな売上と利益を上げるには原価の低い製品を高く、遍く売る事…

蒸し製緑茶の誕生は今!

日本茶インストラクターのテキストや世の中に出回る日本茶の本において、緑茶は大きく「蒸し製」「釜炒り製」とだけ分けられていますが、これが間違いの始まりです。 「蒸し製」は ①水蒸気を熱源に使用した製法 ②水蒸気の持つ凝縮潜熱を利用する製法 に分け…

昔はこんなお茶があったんだけどねえ

現在、現役の多くの茶業関係者はこれまであった大きな市場に対して、大量生産と効率化の積み木を重ねた天辺でお茶と関わる事になっています。その視点から茶価の低迷に対応するのであれば、更に効率化を進める事です。人件費を出来る限り減らし、オートメー…

いっぱいある、お茶関係の資格、日本茶インストラクター。

茶に関した仕事をしていると奇妙な響きの資格めいた肩書きを目にします。コンシェルジュやらナビゲーター、コーディネーターなど何やら横文字が多く次から次へと雨後の筍さながらです。そして、その走りはやはりインストラクターでしょう。全国区の統一試験…

日本茶はいつまで飲めるの?日本茶のヴィンテージ出来ます。

日本茶のヴィンテージが持つ可能性。 現在、流通している商品としての茶葉は「新茶」そして「当年産の茶」です。ヴィンテージの日本茶が定着すれば前述の2種ではない「第3の商品」としての茶となります。 ヴィンテージとするのであれば、相応の価値がある…

百貨店での売上はどうですか?

百貨店での売上はどうですか?と販売に関わる方々に時折、お声をお掛けいただきます。 本店、地方店を問わず、苦戦が続いているのでしょう。売上を上げるにはどうすればとの問いをうかがう事もしばしばです。確かにご来店になられるお客さまも多くは無い印象…

お茶を見るということ

過日、数年ぶりに日本茶インストラクターに関連した試飲企画へ参加した。そこで気がついたことだが茶の内質についてを茶業者以外(茶業者で はないなと思われる方。)のインストラクターが主に急須をつかって確認している様子が目に付いた。はっきり言ってそ…

お茶の値段を上げるには

先日、某所にて茶価を上げるにはとの話が出ました。「価格帯を上に設定しても他所から安いお茶が入ってくるだけなのだ。値段で買うならこの程度でしょうがない。その値段にしかならないなら、これしか作れない。」お茶が美味しくなくなるのも道理で、負のス…

商いの秘密を公開します。

さて、今回はとても読んだ人が得な事を書きます。私の商いの秘密なのでちょっと勿体ないのですけれど。 急須を持っていない。ペットボトルのせいでリーフが売れない。茶業者がそう思っていてくれるのは実に助かっています。 ペットボトルは茶という飲料の裾…

日本茶の明るい未来

茶業者となりお茶に関して人と話すことが増えた。 そんな中、「私は日本茶をほとんど飲んでこなかったのです。」という方に話を聞くことが時折あるようになった。もちろん、日本人で日本在住の方にだ。 数年前の中国茶のブーム以降、香りといえば烏龍茶や紅…

21世紀の茶とお茶屋の仕事

お茶を手軽に飲めるようにと言われますが、軽くキャップをひねるだけでいつでも飲めるようになった「茶」が大きな市場を有し、その目的はほぼ達せられています。 手に入れる気になれば24時間いつでも自動販売機やコンビニエンスストアなどでもお茶を買う事が…