nishikien’s blog

お茶に纏わる事柄をつらつらと。

作る人、売る人、買う人

常滑の急須を作る方たちとご縁が出来て、18年近くになります。その分、皆さんも歳を重ねて年齢は60代後半から70代後半に。 自らを職人だからねと笑う人たちが作り出す品は、作家を語る人たち以上の物ばかりです。粘土を原料とした手作りとは思えない精度。部…

お茶を扱う者がお茶をいれる意味

茶業者となって2年目からやぶきたでは無い品種茶を扱うようになりました。 品種茶とは何か、お茶をいれるとはと考えながら、本格的に販売を開始したのは静岡伊勢丹B1Fおいしいふるさと村で摩利支の販売を始めた2001年10月末です。 ただお茶をいれるのではな…

日本茶が分かるようになれたらいいなあ

園地で健やかに育てて、適期で摘採。摘採後の生葉の取り扱いと葉の様子に合わせて、製茶理論に沿った製茶を行うこと。 酵素失活を水蒸気で行い、揉んで乾かす事を基本とした製造時間が短い蒸し製緑茶はとても分かりやすいシンプルなお茶です。 それ故にごま…

美味しいだけではない

昨夜、僅かな時間ですが業界外の立ち位置で茶の審査に関わってくれている友人と話をしました。 コーヒーやワインの話題から日本茶の話題に。マシンで一般の人の期待値をクリアするコーヒー、そしてニューワールドのワイン、どちらも美味しく作り込まれている…

お茶のいれ方は提案のひとつ

お茶のいれ方。お湯や水、お茶の葉の質や量などを考え、道具にも気を配りますが実際には、こんな風にも入りますよといった提案でしかありません。 沖縄などの硬度が高い水質の土地を除いて、日本茶と日本の水の相性は非常によく、低い温度から高い温度まで、…

テイスティング

お茶のテイスティングと横文字で書くと、ワインなどのシーンを思い浮かべて、産地を当てたりするようなものの様に思われるかも知れません。 実際には違います。 製茶問屋が行う審査(拝見)は荒茶を仕入れる際に茶以外の異臭(煙臭、油臭、薬臭)が無いか、…

はじまりの急須

昨日、飲食店への納品に伺った際に、石部さん平型の急須って本当にお茶が美味しくはいるんですねと弾む声でお伝えいただけました。 平型急須は常滑の急須職人にとっても作り難い急須ですが、お茶をいれる人にとっての「はじまりの急須」がテーマになっていま…

お金がお茶に向かう

お茶も急須も売れないなどと業界では言われていますが、数年前から首都圏など人口が集中している商圏には他業種の余剰資金が茶関連のビジネスへと流れているのを感じます。 好む好まざるを別にして、2020年の東京オリンピック開催に向けて「日本」をテーマと…

今の日本茶

どの様にしてもそれなりに飲める葉を持つ植物が「チャ」です。炙ったり、茹でたり、炒ったり、蒸したりと様々な加工が行われ、保存性が高く、いつでも飲めるようにもなっています。 日本においてもそれは同じです。広く販売されている蒸し製緑茶のメインスト…

あれから4年。深蒸し茶とは何か。世界お茶まつり2013

深蒸し茶とは何かをテーマとした聞き取り調査と報告書づくり。その一環のディスカッションが行われてからほぼ4年が経ちました。換金性を追う事が宿命である農産物のチャは飲料としての存在から粉末の食材への移行が加速しています。チャを原料とした乾物の行…

深蒸し茶と呼ばれたお茶

時代を席巻した「深蒸し茶」と名付けられた緑茶。静岡茶共同研究会の報告書深蒸し茶のルーツを読み直しています。 ※深蒸し茶のルーツはPDFでのダウンロードが可能です。お読みになりたい方は下記のリンクへ。 http://www.geocities.jp/nihonsadojuku/kyodo.h…

産地でのモノづくり

生活雑器として望まれ、その中で偶さかに極めて高い精度を要求され応えて来たのが常滑急須です。 常滑で急須を作ること。 国産の陶製急須で最大の生産量を誇る土地で急須をつくる。ベテランの職人が急須づくりを日常としている土地での新規参入はハードルが…

昔ながらの幻想

昔ながらの方法に過大な期待をするのは一般の方か、広告などを仕事にしている方がイメージを利用して媒体作ってしまう場合が多いようです。 馬車から自動車、動力の人力から電化などの例を見るまでもありません。工夫と失敗の積み重ねの先に今の私たちの生活…

お茶の保管

お茶の保管に関して、茶缶はどの様なものがいいのでしょうとご質問をいただく事があります。錫(ピューター)や銅は元より、木製、他の金属製の茶缶もあります。見た目は良くてもダメなのはアクリルやプラスチック、ガラスなど遮光性の低いものです。これは…

今が行き時

常滑に行かれるのであれば、泊まり掛けをオススメします。 京都や奈良のように荘厳華麗な神社仏閣などはありませんけれど、焼き物が産業となり生活に溶け込んだ土地は見所がいっぱいです。 次に行った時に、と思われるかも知れませんが次というのは中々来な…

歴史にならない昔

先日、担当させていただいた大学の授業にて1981年のテレビ放送を題材とした時、私達はまだ生まれていませんとの声。当時生まれた人が36歳。彼、彼女達よりも16歳年上になるのかと改めて考えた一瞬でした。 さて、番組は味付けの茶(着味茶)が東京の消費者セ…

世界の縮図

きっと多くの人が自らのフィールドでは気づいている事と思うのですが、仕事としているからといって、その事の専門的な知識を有している訳でもない事。雇われている人であれば尚更である事。 自分のいる場所は世界を形作るもののひとつであって業態が変わって…

無責任の発露

この際、ハッキリさせよう。 茶に関しての品質や価値判断を美味しいや不味いといったあやふやな感覚でしか出来ない一般の消費者を巻き込み、評価をさせて商品価値を付けようとするようなイベントや試みは無責任の発露。 評価や拝見は栽培や製茶についての知…

効率と呼ばれる針の穴

便利な世の中です。インターネットを通じた連絡や交流は数百キロ、数千キロの距離を一瞬に縮めます。インターネットと言わずとも、電話でも連絡は事足りて書類も郵便で送れます。 仕事の効率で考えれば既存の取引先数件へ早朝からクルマを走らせ、それぞれに…

値段分の満足と品物

常滑焼の急須を見ていて思うのは、大人の買い物としてこんなに手軽に満足度のある品は他に無いのではないだろうかです。 工作機械による製造ではなく、ほぼ100パーセント職人のハンドメイドで価格は3万円程度で手に入ります。 その金額で手に入る消えモノで…

物語も味のうちだけど

私の様な商いをしていますと、お客さまがご自分の買われたお茶などをお持ちくださる事があります。その中で最近、気がつくのは産直品の物語だおれのお茶です。 有機、最古樹、新月、満月といったコピーが躍りますが品質チェックが出来たならとてもその名で販…

日本茶の特徴

日本茶の大きな特徴は何か?歴史を振り返って考えると、製茶の機械化と気づきます。 特に揉む工程は茶葉をひと固まりで一度に処理をするもので、流れ作業では行い難い仕事です。手製茶で考えると手で扱える量がそのひと固まりになります。このような仕事は全…

途切れることなく

昨夜半、打ち合わせの電話。そろそろお金のとれるお茶のいれ方に踏み込んでみように始まり、気がつけばの昔話に。 風景の中にまだ紺色と緑の人民服と自転車が溢れる頃、哈爾浜で日本茶をいれた時の記憶や、家の近くに出来た蕎麦屋に足繁く通った事、品種茶を…

茶の紡ぐ物語 摩利支

「日本に来て良かった」の言葉で終わる書籍の校正が昨日完了。最終稿ですとのタイトルのデータが届いた。 これを読むなら、やはり、日本茶を傍らにと思い、18年ほど前に、オリジナル急須をと取り組んだ当時の品を棚から取り出した。 この急須の年の離れた兄…

シングルオリジンの日本茶

近年目にする「シングルオリジン」といった単語。耳触りも良いいい言葉で、単園モノや単品のお茶などと表現していた事に懐かしさを覚えます。この様なカテゴリーの茶を扱うキャリアで言えば私は古株となるのでしょう。 さて、シングルオリジンのお茶は良茶な…

一杯の茶から

某所和カフェにて 「いらっしゃいませ。今回は普段、飲まないだろうと思うお茶をいれました。何だと思います?」 私が普段飲まないとすると狭山か、宇治かと呟きながら、口に運ぶ。狭山ではない。 「宇治っぽい雰囲気もあるけれど違う。まてよ、この風味は知…

お茶を手で摘む一番のメリットは何か?

「手摘みのお茶はいいのですか?」と時折、お客様に質問をされます。 「モチロンそうですよ。」と笑顔で答えられればいいのですが、それが出来るほど私は器用ではありません。 「そんなことは無いですね。手でなければ出来ない仕事をして、それが製品に活か…

21世紀、お茶はいれるモノから、キャップをひねるモノになりました。

21世紀、世の中に出回る「茶」は既に液体が主流になりました。この状況はどう見ても、私にとってチャンス到来です。 こうなれば、急須を使っていれる事が大きな意味を持つのですから。 無糖茶系ドリンクの市場規模は、2012年 7,406億3,300万円 (前年比102.4…

中国は烏龍茶の国ではなく、緑茶の国です。

お客さまを含め日本で緑茶の話しをすると、緑茶は日本にしかないと思っている方が少なからずいらっしゃいます。実生活において身近にあり、外国産緑茶と縁がないからかも知れません。製法の違いこそあれ緑茶の最大生産国は中国です。 今更ですが中国は広大で…

シングルオリジンを冠するのであれば、腹をくくって真面目にやろう。お金の為ならおやめなさい。

コーヒーなどから端を発した「シングルオリジン」という呼び名。ワインのモノポールとも似ていますが、日本人が覚えやすい単語と響きのいい言葉だなと思います。 さて、私は販売の実績も含め、日本茶における品種単品や単産地、単園の製品提案に関してはフロ…