nishikien’s blog

お茶に纏わる事柄をつらつらと。

深蒸し茶と呼ばれたお茶

時代を席巻した「深蒸し茶」と名付けられた緑茶。静岡茶共同研究会の報告書深蒸し茶のルーツを読み直しています。 ※深蒸し茶のルーツはPDFでのダウンロードが可能です。お読みになりたい方は下記のリンクへ。 http://www.geocities.jp/nihonsadojuku/kyodo.h…

産地でのモノづくり

生活雑器として望まれ、その中で偶さかに極めて高い精度を要求され応えて来たのが常滑急須です。 常滑で急須を作ること。 国産の陶製急須で最大の生産量を誇る土地で急須をつくる。ベテランの職人が急須づくりを日常としている土地での新規参入はハードルが…

昔ながらの幻想

昔ながらの方法に過大な期待をするのは一般の方か、広告などを仕事にしている方がイメージを利用して媒体作ってしまう場合が多いようです。 馬車から自動車、動力の人力から電化などの例を見るまでもありません。工夫と失敗の積み重ねの先に今の私たちの生活…

お茶の保管

お茶の保管に関して、茶缶はどの様なものがいいのでしょうとご質問をいただく事があります。錫(ピューター)や銅は元より、木製、他の金属製の茶缶もあります。見た目は良くてもダメなのはアクリルやプラスチック、ガラスなど遮光性の低いものです。これは…

今が行き時

常滑に行かれるのであれば、泊まり掛けをオススメします。 京都や奈良のように荘厳華麗な神社仏閣などはありませんけれど、焼き物が産業となり生活に溶け込んだ土地は見所がいっぱいです。 次に行った時に、と思われるかも知れませんが次というのは中々来な…

歴史にならない昔

先日、担当させていただいた大学の授業にて1981年のテレビ放送を題材とした時、私達はまだ生まれていませんとの声。当時生まれた人が36歳。彼、彼女達よりも16歳年上になるのかと改めて考えた一瞬でした。 さて、番組は味付けの茶(着味茶)が東京の消費者セ…

世界の縮図

きっと多くの人が自らのフィールドでは気づいている事と思うのですが、仕事としているからといって、その事の専門的な知識を有している訳でもない事。雇われている人であれば尚更である事。 自分のいる場所は世界を形作るもののひとつであって業態が変わって…

無責任の発露

この際、ハッキリさせよう。 茶に関しての品質や価値判断を美味しいや不味いといったあやふやな感覚でしか出来ない一般の消費者を巻き込み、評価をさせて商品価値を付けようとするようなイベントや試みは無責任の発露。 評価や拝見は栽培や製茶についての知…

効率と呼ばれる針の穴

便利な世の中です。インターネットを通じた連絡や交流は数百キロ、数千キロの距離を一瞬に縮めます。インターネットと言わずとも、電話でも連絡は事足りて書類も郵便で送れます。 仕事の効率で考えれば既存の取引先数件へ早朝からクルマを走らせ、それぞれに…

値段分の満足と品物

常滑焼の急須を見ていて思うのは、大人の買い物としてこんなに手軽に満足度のある品は他に無いのではないだろうかです。 工作機械による製造ではなく、ほぼ100パーセント職人のハンドメイドで価格は3万円程度で手に入ります。 その金額で手に入る消えモノで…

物語も味のうちだけど

私の様な商いをしていますと、お客さまがご自分の買われたお茶などをお持ちくださる事があります。その中で最近、気がつくのは産直品の物語だおれのお茶です。 有機、最古樹、新月、満月といったコピーが躍りますが品質チェックが出来たならとてもその名で販…

日本茶の特徴

日本茶の大きな特徴は何か?歴史を振り返って考えると、製茶の機械化と気づきます。 特に揉む工程は茶葉をひと固まりで一度に処理をするもので、流れ作業では行い難い仕事です。手製茶で考えると手で扱える量がそのひと固まりになります。このような仕事は全…

途切れることなく

昨夜半、打ち合わせの電話。そろそろお金のとれるお茶のいれ方に踏み込んでみように始まり、気がつけばの昔話に。 風景の中にまだ紺色と緑の人民服と自転車が溢れる頃、哈爾浜で日本茶をいれた時の記憶や、家の近くに出来た蕎麦屋に足繁く通った事、品種茶を…

茶の紡ぐ物語 摩利支

「日本に来て良かった」の言葉で終わる書籍の校正が昨日完了。最終稿ですとのタイトルのデータが届いた。 これを読むなら、やはり、日本茶を傍らにと思い、18年ほど前に、オリジナル急須をと取り組んだ当時の品を棚から取り出した。 この急須の年の離れた兄…

シングルオリジンの日本茶

近年目にする「シングルオリジン」といった単語。耳触りも良いいい言葉で、単園モノや単品のお茶などと表現していた事に懐かしさを覚えます。この様なカテゴリーの茶を扱うキャリアで言えば私は古株となるのでしょう。 さて、シングルオリジンのお茶は良茶な…

一杯の茶から

某所和カフェにて 「いらっしゃいませ。今回は普段、飲まないだろうと思うお茶をいれました。何だと思います?」 私が普段飲まないとすると狭山か、宇治かと呟きながら、口に運ぶ。狭山ではない。 「宇治っぽい雰囲気もあるけれど違う。まてよ、この風味は知…

お茶を手で摘む一番のメリットは何か?

「手摘みのお茶はいいのですか?」と時折、お客様に質問をされます。 「モチロンそうですよ。」と笑顔で答えられればいいのですが、それが出来るほど私は器用ではありません。 「そんなことは無いですね。手でなければ出来ない仕事をして、それが製品に活か…

21世紀、お茶はいれるモノから、キャップをひねるモノになりました。

21世紀、世の中に出回る「茶」は既に液体が主流になりました。この状況はどう見ても、私にとってチャンス到来です。 こうなれば、急須を使っていれる事が大きな意味を持つのですから。 無糖茶系ドリンクの市場規模は、2012年 7,406億3,300万円 (前年比102.4…

中国は烏龍茶の国ではなく、緑茶の国です。

お客さまを含め日本で緑茶の話しをすると、緑茶は日本にしかないと思っている方が少なからずいらっしゃいます。実生活において身近にあり、外国産緑茶と縁がないからかも知れません。製法の違いこそあれ緑茶の最大生産国は中国です。 今更ですが中国は広大で…

シングルオリジンを冠するのであれば、腹をくくって真面目にやろう。お金の為ならおやめなさい。

コーヒーなどから端を発した「シングルオリジン」という呼び名。ワインのモノポールとも似ていますが、日本人が覚えやすい単語と響きのいい言葉だなと思います。 さて、私は販売の実績も含め、日本茶における品種単品や単産地、単園の製品提案に関してはフロ…

特別扱いなんてしちゃダメなんです。

お茶に限らず、物事を考える時に自分と関係のある品を闇雲に特別扱いしない意識はとても大事です。 自らのアイデンティティーにも繋がる部分なので、実は難しい事でもありますが、それをしなくては学びにはなりません。 平らに考え、その上でどう違うのか、…

ペットボトルのお茶が売れなくても売上なんて上がりません。

「お茶はリーフで。」 「ペットボトルのお茶ではなく急須で。」 一般のお茶好きの方からの言葉ならまだしも、茶業者から声高々に語られると少々不思議な気分になります。 ペットボトルなどドリンクの茶系飲料の原料は言うまでも無く「茶」です。大手メーカー…

初心者が急須を選ぶ時のポイントを教えます。

急須でお茶をいれる面白さは他の類をみません。乾物である茶葉に湯や水を用いながら、一杯の茶をつくる。ほんの僅かな広さと時間さえあれば誰でも出来ます。美味しい、不味いの答えも直ぐに出るから達成感も楽しめます。お茶をいれるとはテーブルの上で出来…

お茶とはキャップを捻るものなのです。

過日、コカコーラのPOS(販売時点情報管理)から導き出されたと思われる以下のようなコメント目にしました。 『朝はコーヒーや水が多く、昼にはお茶がバッと売れて、午後になると炭酸飲料とか甘めのものが売れている』 茶業に関わる者としてはこの一文に目が止…

お茶の品種をとりまく事柄~その⑤

茶の品種をとりまく事柄<その5>お茶はお米と同じく一般消費者に対して値段を指標に売り買いがされた食品です。「例えば100gで1500円ならお使い物に、600円なら自家用に」など中身がどのようか、ではなく「金額」が選択理由の中心に来ています。故にほと…

お茶の品種をとりまく事柄~その④

茶の品種をとりまく事柄<その4>生産者の工場で出来上がった「荒茶」は「製茶問屋」によって仕入れが行われます。製茶問屋は再製工場とも呼ばれ、荒茶を原料として「仕上げ茶」を作ります。仕上げ茶が小売店などで販売される商品としての茶になります。製…

お茶の品種をとりまく事柄~その③

茶の品種をとりまく事柄<その3>品種は「製品」をつくる上で生産者、茶問屋などが扱いやすいことが大切でした。生産者からみれば植えた後に5年以上の月日をかけ、少なくないお金を投資して製茶したものの行き先(買い手)が無かったり、値段が安かったり…

お茶の品種をとりまく事柄~その②

茶の品種をとりまく事柄<その2>高価格で売れやすいのはどんな時でしょう?手っとり早いのは茶期が早く世の中にまだ新茶が出回らない時であれば売れていきます。買い手からすれば選択肢が無い状況でもあります。高い=高品質ではない。その後は時間ととも…

お茶の品種をとりまく事柄~その①

茶の品種をとりまく事柄<その1>良い機会なのでお茶の品種がどうして単品で世に出て来にくいのかを文にしてみることにします。一般の方が思い浮かべる農作物の品種と「茶の品種」についての実際は異なっているのだろうと思うのです。茶の品種について考え…

さて、茶業者にあったら訊ねてみるとしましょう。ところで、あなたはどんな急須でお茶をいれているんですか?と。

「急須の無い家庭が増えた」や「茶葉を使わなくなった。」といった嘆き節のような言葉を私の業界では耳にします。ペットボトルばかりでなんて話も合わせて。お客さまや世の流れみたいに聞こえますが、それは間違いです。この状況は嘆いている人が作ったので…