nishikien’s blog

お茶に纏わる事柄をつらつらと。

七夕

20世紀が終わる寸前、茶販売を仕事とした頃、茶の事もよく分からず、取引先の言葉の中で都合の良い部分だけを利用し、ただ闇雲に産地や製法の優位性に縋るようだったのを思い出します。振り返ると苦笑いと共に、滑稽なほど必死で意固地だったのだなとも。不…

一線を画する

お茶の勉強をしたい。お茶の事がわかるようになりたい。 そんなお話しを伺うことがあります。 その様に言われても、余りにも漠然としていてお答えのしようが無いというのが本音です。 何の為に、どの様なことを程度の事は明確にしてくれればと思いますが、実…

百歩譲って

碾茶(抹茶の原料)、玉露は言うに及ばず、煎茶も含めて、高品質高価格帯のお茶が売れ無いと言われます。抹茶がブームなどとされても、売り上げが伸びているのは加工用の低価格帯であり抹茶そのものを楽しむ人は増えていません。業界の内外、茶についての知見…

magic of japanese tea

お茶が好きになったのはいつだろう。友人が書いた本の出だしを読み、ふと自分に問いかけた。 正直に言えば茶業者になるまで、特にお茶を特別に美味しいや好きと思った記憶は無い。茶に関しての記憶を振り返ると中学校へ土産に貰った九谷焼の湯呑みを持って行…

新茶が出来ました

朝、取引先にて昨日、摘採製茶された近藤早生を拝見しました。毎年、激しくなる気候変動に翻弄されながらの栽培と製造。「新茶が出来ました。」この一言の中に織り込まれた出来事や関わられている人々の思いを染々と考えます。摘採の前日、寝入りしなの深夜…

お茶なんて買いませんよ

茶業界などで20代から30代など若い世代への日本茶の提案がとされますが根本的な部分で間違えているように思えます。 特に20代はリーフタイプの日本茶を嗜好する人は極々少数派です。生活の中でペットボトルを飲み、仮に茶をとなった場合、ほぼ家や親から貰う…

茶業者となって

茶業者となってやらなくてはいけないと思ったのは、お茶の事を分かるようになろうでした。資本力など無く、近しい人たちの縁故に頼るような商いで売上が少ない事に焦りや怖さを感じていました。でも最後に必要になるのは得た知識を伝える事とそれに支えられ…

同じではない

形が同じ様に見えても同じではないこと。 大陸において火にかけて煮やす為の道具として端を発した横手の注器、茶銚とも呼ばれました。時代と共に、火に掛けずともいれられるお茶が大勢を占める中、時流に乗って生産が拡大し、「急須」は一般の人達が使う生活…

何代もかけて何を

先祖代々といった様なコピー。それを自慢出来るような製品を作れていればその文も説得力を持つけれど、製品がどうと言う事も無ければ一体、何代も費やして何をやっているんだろうとなります。 お茶は狐葉とも呼ばれますが、むしろ逆です。とてもシンプルな加…

さくらかおり

桜の澄んだ香りをお茶で楽しむひととき、春はいつでもそこに訪れます。(フェリシモにてさくらかおりを販売いただいた時のコピーです。) 静-7132を扱い始めて17年ほどになります。広尾の日本茶カフェ「蒼庵」にてのメニュー「さくらかおり」の名称を私が引…

萎凋、萎凋香を語る浅学

萎凋や萎凋香といったキーワードは魅力があります。私もかつて通った道であり、自らの浅学を恥ずかしくも思います。 私は茶業者や茶の関わる人たちが萎凋による花香など表面的な部分に心が奪われている事に気がつけるといいのだけれどと淡い期待をしています…

玉露、碾茶、 抹茶

昨年来、玉露や碾茶についてを考えていますが特に玉露と煎茶の区別は栽培方法であり、その栽培の環境にこそ茶種の違いがあるのだと思えます。栽培環境が茶種を分けるのであれば、化学繊維を使用した遮光とよしずや藁を使用した遮光では被覆下の気温(化学繊維…

美味しいの罠

ただ美味しいを基準にしない事。子供の頃、初めて食べた物を美味しく感じて、経験を重ねた先に然程ではない事に気がついたこともあるでしょう。年齢を重ね、その物に対しての期待値が低く、慣れていないもの程、最初の美味しさを必要以上に特別視してしまい…

可能性

師走。 旅の出掛けにどんなお茶を持っていこうかと思い、自然に手にしたお茶。 お茶好きな友人が、私が初めて日本茶を飲んだ年なんですと嬉しそうにしていました。 同席した茶に通じた武道家が丁寧にいれたそのお茶はおだやかな風味と共に大切な時の流れを感…

ティーペアリング

ティーペアリング。数年前に日本茶とフレンチを合わせたりもしたが、やはり、ワインの方がバランスもいいし、無理やり合わせる必要を感じなかった。 さて、私も最近、アルコール耐性が低くなって来たので、この事について再考する事がある。 食べて、お茶を…

10年後の日本茶

お茶のテイスティングと横文字で書くと、ワインなどのシーンを思い浮かべて、産地を当てたりするようなものの様に思われるかも知れません。実際には違います。製茶問屋が行う審査(拝見)は荒茶を仕入れる際に茶以外の異臭(煙臭、油臭、薬臭)が無いか、そ…

完全無欠

料理とは元のものより、美味しくする事ですよ。料理をしてその前よりも美味しくなってこそです。友人のシェフの言であり、私もそう思います。お茶のアレンジも同じです。湯や水でいれた一杯の茶より美味しくなくなっているのなら、イタズラをしただけで遊び…

気づくのはいつも当たり前のことばかり

考えて、学んで、生きて、いつも気づく事は当たり前過ぎることばかりです。結局、私たちが人として生きる最大の目的は受け取ることと、渡していくことなのでしょう。親から子へ、子から孫への繋がりだけでなく、先人から後進へと渡していくこと。それが出来…

地球に優しい

卑怯なセールストークのようで少々言葉にするのが憚られるのですが、急須がいらないティーバッグやドリップタイプといった茶葉以外のゴミが出るような商品はエコロジーの方向からはズレているという事を企画、販売する者、買う者は心の中に留めておく方がい…

家に急須が無い?

急須の無い家が増えてなどと言われますが、お茶の歴史を振り返れば、家に急須が無い時代の方が圧倒的に長かった事を知らない人がほとんどです。一般の人々の生活の傍らで使われたのは、土瓶が主でそれも江戸後期になってやっと火に掛けられないタイプが登場…

私の仕事

一杯のお茶。そのひと口に、人の心は動く。 ある武道家は知ってしまったからにはと背筋を伸ばして日本茶カフェの店頭に立つ。 ある外国の若者は職を辞してでも日本茶の世界に身を投じ、世界を飛び回る。 ある職人は茶を楽しむ為の道具に心を込める。ある者は…

存在しない品評会茶

実際の話からすれば「全国品評会」やそれに類する基準の出品茶は一般的に流通する茶の原料となる荒茶とは乖離した製品です。その最も顕著なのが「深蒸し茶」とされたお茶でしょう。 通常に流通している「煎茶(普通蒸し)」「深蒸し煎茶」などは生産者が自己…

農薬を使うこと

過日、南洋紅茶からは残留農薬が検出されないのですよとのひと言がありました。日本茶、中国茶、台湾茶からは基準以下、基準以上は別にして検出されます。 何故なのかを考えた場合、製造されている紅茶の9割近くはブロークンタイプとなり、ティーバッグなど…

ただのひとりも。

これまで試飲販売などを通じて、時折「有機栽培のお茶を」とお声をお掛けいただく事があります。私もJAS有機や二者認証の無農薬の製品などを取り扱っておりますので、そちらをご案内しますがその際に 「お客様の安全に関してだけなら有機栽培である必要はあ…

無農薬、有機栽培

農薬に関しての講演を聴講させていただきました。必要以上に農薬について怖いと思っている人が多いのが現状です。生産性を上げる為の資材のひとつが農薬であり、正しく使った際の安全性は一般の方が考えている以上です。 講演中にあった残留基準超過作物とそ…

茶処の名にかけて

2004年に放送された「茶処の名にかけて」(製作:静岡第一テレビ)を見直す機会がありました。番組中の言葉の中で、今なら言わないなと思うフレーズがひとつだけ。 「お茶のいれ手冥利に尽きる。」 シナリオも無いドキュメンタリーでしたのでその時に素直に…

責任の所在

百貨店での販売でご縁が出来て十数年来のお付き合いとなるワインがお好きなお客さま。山峡や蒼風が好きで、他のところでも山峡などの名前を見かけると買ってみるのですよとのこと。とてもよくわかるお話です。私もワインが好きで、バーなどのメニューにピノ…

人の使命

人は経験と齢を重ねた時、次世代を育てる役割を持つ。そうなれるように生きるのが人であると信じている。 先人、先輩諸氏に自らが未だに教えられ、庇護されているとしてもだ。その庇護に感謝しながら、先達が口にするキサマ如きがとの指導も飲み込みながら届…

ビビったら負け

過日、お客さまとの会話。妄想に近い位のイマジネーションとビビらない事がお茶を上手にいれるのには大事です。 さて、妄想とすると何ですが、サイエンスフィクションの領域なのでしょう。拝見や観察を続けて行く中で、視覚情報と官能を組み合わせながら、茶…

これからの買い物

如何にして売らないかがここ5年のテーマでした。売上を上げるのを止めるのではなく、目の前の売上を追うのではないようにです。 必要なモノを買う行為はアマゾンに敵わないことを認める。通常の売り方で対アマゾンとした場合、地域密着の生鮮三品購買顧客の…